ドーパミンは脳から分泌される興奮を引き起こすホルモンですが、それらが人間の行動に及ぼす影響が最近話題となっています。日本では「アドレナリン」の方が馴染みがあるとはおもいますが、海外でのSNSやメディアでは「ドーパミン中毒」という概念が話題になっているそうです。ドーパミンは、人間に快感を与える一方、一時的なものであるため依存しやすいといえます💀もう少し詳しく説明していきましょう!
脳から分泌されるドーパミンとは?⚡
ドーパミンはホルモンの一種で、神経を通して全身に様々な指令を送る神経伝達物質です。主に集中力、運動、意思決定、あるいはスキンシップによる快感などがあり、さまざまな役割があるといえます。ギャンブルを楽しんでいる際も例外ではありません💰
ドーパミンは多すぎても少なすぎても健康上の問題を引き起こす可能性があり、最適なレベルを保つことが重要です。とある研究によると、ドーパミンの不足と現代病であるパーキンソン病には深い関係性があり、これにより運動障害や認知障害を引き起こすことが明らかとなっています。反対に、ギャンブルなどで気分が高ぶることによりドーパミンの分泌量が異常値にまで上昇し、それが快感へとつながり、結果ギャンブル依存症を招きかねないのです。
ドーパミンとギャンブル💀⚡
ドーパミンは、脳内の複数の経路を介して分泌され、認知機能や運動機能に影響を及ぼし、良い習慣「運動など⚽」にも悪い習慣「ギャンブル依存、薬物依存など💉」にもなり得ます。
ドーパミンは快楽をもたらす行為「スキンシップなど」の際に分泌されるものでもあります。ギャンブルをする人の中には、高いリスクのある賭け事をする際にドーパミンが分泌され、妙な満足感を得ている方も多いです。
ドーパミンの分泌は私たちを快楽にさせる生理現象であり、悪いことではないのですが不都合なことも存在するのです。たまにならよいでしょうし、これが長期的に続いた場合はどうでしょう。そうです「慣れ」です。身体レベルでドーパミンの分泌量に慣れてしまうと、今までの快楽では満足しなくなってしまいます。これが依存へと繋がるのです。
例え興奮が薄れても、勝利の快感は強く残ります。みなさんが再びギャンブルサイトを開き、ゲームのBGMやグラフィックを見た祭には再びプレイがしたいという思いが湧きあがり、歯止めがきかなくなっていきます。
負けた時こそ、勝利の快楽を思い出し再度プレイしたいという思いに。
悔しいという思いが反動となる。運動で例えると、負けた悔しさを味わうと再び練習に励み次に繋げようとする糧になります。これは良いことですが、脳は快楽を運動やギャンブルで区別することはできません。結果プレイヤーは誤った方向へと陥りやすいのです💀
依存症が脳に与える影響とは?🧠
依存症は脳に多大なる影響をもたらします。もともとは脳が分泌して依存症を引き起こすんですけどね。解剖学はさておき、脳死すると人間は生きることができません。それくらい脳は身体全体における重要な役割を担っています。それゆえ、とても複雑な神経経路があり、何十億もの神経を通して、思考、感情、行動などをコントロールしています。
依存症はこの神経経路がバグっていると考えてよいでしょう。バグったことにより人間は正常に判断できず依存心に陥るということです。
ギャンブル依存症と神経学に関する研究によると、依存症は脳の重要な領域である前頭葉などに関連していて、この領域は自制、意思決定、感情などを司る部分となります。
MRI(磁気共鳴画像法) などを用いた研究によると、ギャンブル依存症のある人は薬物中毒者💉と同様に、なにか報酬を期待している際に腹側線条体の活動が著しく低下することが分かっています。ほかの研究結果では、自制やストレス体制、記憶などを担う領域である、扁桃体と海馬が萎縮することが示されています。恐ろしい!!!
とくに10代の若者はギャンブル依存症に陥りやすいです。自制などに重要な前頭葉は他の部位よりも成熟が遅いため、ギャンブル依存症に陥るリスクは若ければ若いほど高まります。
ギャンブル依存症は以下のような原因により起きる可能性が高いです。
- 勝利への強迫的なこだわり:勝つ楽しさを知ると、脳はその刺激を渇望するようになり、その衝動は負けた時にさらに悪化していきます。
- ストレスなどからの現実逃避:日頃の精神的苦痛から逃れようとギャンブルを利用し、悪循環を招きます。
- 衝動的にリスクを求める:スリルを求める傾向にある方は、ギャンブルによる感情の抑揚に依存していく傾向にあります。
ギャンブル依存症に手遅れはありますか?
脳は複雑な構造をしているからこそ、柔軟に適応することができます。もちろん、重度の場合は相当な努力と意思が必要かもしれませんが、適切に対応をすれば手遅れになることはありません。脳は新しいことを学ぶことも、忘れることもできるのです。🧠✨
個人がしっかりと、治すという意思を持ち、それに向けての行動を起こすことで抜け出すことは不可能ではありません。
メルボルン大学の神経科学者である、Dr Jared Cooney Horvathもこう記しています。
脳は何か新しいことを学ぶことも、忘れることもできる。適応能力が非常に高い臓器です。
また、Castle Craig氏が発表した研究では、脳は新しい神経つまり細胞を常に構築する能力があり、例え依存症になったとしても行動次第では回復が可能と記されています。
ScienceDirectでは、運動が脳神経を修復し、脳の回復を助ける良いきっかけである可能性があると記されています。
運動は脳の血流を促し、前向きな思考へと導きます。
依存症を脱却するための一環として、運動も日々のタスクに取り入れるとよさそうですね。運動により、ストレスが軽減されるほか、神経経路も整い、ドーパミンの分泌量も正常に戻っていくということです。
ドーパミンの分泌量を正常にし、依存症を回避するには?
Andrew Huberman 博士は、ギャンブル依存症には以下のリストを日々のタスクに入れることにより改善する可能性が高いと提示しています。
ドーパミンの分泌量を正常値に保つ
- 朝の日光浴 : ビタミンDの体内生成。毎日10~30分ほど浴びること。
- 水風呂:1~3分間、冷水のシャワーを浴びる。
- チロシンの摂取:赤身肉を中心に、ナッツ、チーズ「プロセスは×」などを積極的に食べる。
- メラトニンサプリを避ける:正しい生活習慣で体内で分泌されるホルモンなので、わざわざサプリメントから摂取して、過剰による副反応を起こす必要はありません。
- 寝る前のスマホを避ける:就寝前のスマホは睡眠の質が下がり、脳の機能低下につながるからです。
- カフェイン摂取:適度な量に限る。夜間は避ける。
他、意識的にできること
- 勝利に一喜一憂しない : ゲーム開始前に小さな勝利で満足すると決める。勝利の総額のボーダーラインを決めるのもよいですね。
- 瞑想をする:頭の中を無にすることで高揚しすぎた気持ちやストレスを落ち着かせることができます。
まとめ:ギャンブルを回避するためにできること🚬
勝ちが続いたり、大きな負けを痛感したり、一喜一憂しながら長期的にプレイすることでギャンブル依存症に繋がることが多いです。ただし、みなさんがあらかじめ意識することで、依存症を回避することができるかもしれません。
- ギャンブルの引き金に気づく:ストレス、虚無感、経済的に不安定など、ギャンブルに手を出すきっかけに気づくことです。早ければ早いほど予防することができます。
- ギャンブルがしたくなったら、代替え案を考える:スポーツ、読書、コミュニティーなど世の中にはギャンブル以上に楽しいことがたくさんあります。
- 医療機関を頼る:アメリカ心理学会によると、前頭葉を正しく刺激するとギャンブル依存症を回避できるそうで、神経治療や場合によっては認知行動療法が有効だそうです。
みなさんがギャンブルに依存することなく、趣味の一環程度としてほどよく楽しんでいただけたらと思っています。プレイする前に、誰しもが依存症に陥る可能性があるということを知り、予防するための行動をまず起こすことが大切です。🤗
それでも依存症になってしまい、助けが必要な場合は医療機関やGambleAwareなどをご利用ください。