すべては2005年に始まりました。私は法学生で、ルームメートとアパートを借りて典型的な学生生活を送っていました。元来デザイナーの私は常にIT関連のクリエイティブな仕事を探しており、主にウェブデザインの仕事を手掛けていました。当時はフリーランスの仕事を見つけるのは難しかったうえに報酬もよくありませんでした。
ある晩、ルームメートが洒落た白のシャツと黒いパンツを着ていることに気づきました。なんだか不格好で、ウェイターやバーテンダーのようないでたちです。事実、その彼は新たにオープンした豪華なカジノでバーテンダーとして働くことになったのです。当時、周りでカジノの知識がある人は誰もおらず、このルームメートが私をこの業界に入るきっかけとなったのです。
数週間後、ルームメートはしきりにその新しい仕事と相当な額の給料について語りました。そして私もそのカジノで仕事をしてみたいと思いました。そうすればお金を稼ぐことができます。唯一募集していたポジションは、バーテンダーの夜間シフトでした。バーテンダーのような仕事経験はなかたったのでスキルに自信がありませんでしたが、お金が必要だったしすぐに学ぶことができるだろうと思っていました。
仕事を始めた瞬間から、私は最悪のバーテンダーになると確信しました。その通りに世界で最悪のバーテンダーになったのです。お酒について無知だったので、ウイスキーと同じだろうと思って高価なコニャックに氷を入れてサーブしたこともあります。忙しくない時は、バーでいつも寝落ちしていました。当然カメラにその姿が映っています。フリーランスでやっていたWebデザインの仕事をバーでしていたこともばれました。わずか20日間で、これは自分に向いていないと確信し辞めることを決断しました。
夜勤明けに上司のひとりが階下のカジノロビーで朝のコーヒーを飲んでいるのを見ました。その上司はバーでラップトップを開けてるところを見つかった新人の話を耳にしており、私に何をしていたのか尋ねてきました。そして、ウェブサイトを構築できるか聞いてきたのです。私はウェブデザインについていくらか知識があり、カジノ側は自分たちのビジネスためにウェブサイトを構築する人物を必要としていました。そうすることで彼らはオンラインスペースのカジノを展開することができます。まったく予想外のことが起こりました。辞める代わりに本部で働かないかとオファーされたのです。
何百ものコンピューターとテレビ画面、忙しそうに走り回る社員がいるすばらしい本社に足を踏み入れたとき、圧倒されました。そして、私はここに属していると感じました。バーには居場所がありませんでしたが、ここには自分のデスクがあり、新しいラップトップが与えられ、オンラインギャンブルの世界について学ぶことになったのです。
これは私にとってまったく新しい未踏の地だったので、日々オンラインカジノ、ゲーム、オンラインマーケティングなどのリサーチに明け暮れました。私のデザインスキルとこの会社の巨大なリソースを組み合わせれば最高のビジネスができるだろうと感じました。
好奇心旺盛で起業家精神が強かった私は、自分でできることを次々と見つけていきました。カジノを宣伝する多くの人気ウェブサイトを見て、私は自分のスキル、経験、知識を合わせてこの会社ではたらくことで、より良いビジネスができると100%確信しました。
私の最も役立つスキルを使って、主にデザインを重視した自分自身のウェブサイトを作り始めました。数週間後、私はAskGamblersを立ち上げました。